
AirPods 5が発表。正直、どうなの? ワイヤレスイヤホン7機種を使ってきた私が思うこと
※この記事は発表情報をもとにした発売前の考察です。AirPods 5の実機レビューではありません。
◯AirPods 5が発表。正直、どうなの?
AirPods 5が発表された。
通常モデルが23,800円、ワイヤレス充電ケース付きモデルが27,800円。
まずは、比較対象になるAirPods 4のノイキャンモデル、AirPods Pro 3と並べてみる。
▽AirPods 5・AirPods 4 NC・AirPods Pro 3を比較
| 項目 | AirPods 5 通常モデル |
AirPods 5 ワイヤレス充電モデル |
AirPods 4 NCモデル |
AirPods Pro 3 |
|---|---|---|---|---|
| 価格(税込) | 23,800円 | 27,800円 | 29,800円 ※発売時 |
42,800円 |
| 装着方式 | オープン型 | オープン型 | オープン型 | カナル型 |
| ノイキャン性能 | 4 NCの最大1.5倍 | 4 NCの最大1.5倍 | 比較の基準 | 5の最大3倍 |
| ANC使用時の単体再生 | 最大4時間 | 最大5時間 | 最大4時間 | 最大8時間 |
| ケース込みのANC再生 | 最大20時間 | 最大22時間 | 最大20時間 | 最大24時間 |
| イヤホンで音量調整 | 非対応 | スワイプ対応 | 非対応 | スワイプ対応 |
| ケースの充電 | USB-C | USB-C/Qi/Apple Watch | USB-C/Qi/Apple Watch | USB-C/MagSafe/Qi/Apple Watch |
| ケースのスピーカー | なし | あり | あり | あり |
| 防塵・耐汗耐水 | IP57 | IP57 | IP54 | IP57 |
| 片耳の重さ | 4.3g | 4.3g | 4.3g | 5.55g |
※ノイズキャンセリング性能はAppleによる前世代との比較。再生時間はノイズキャンセリング有効時の公称値で、使用条件によって変わる。
参考:AirPods 5の仕様/AirPods Pro 3の仕様/AirPodsを比較する
表にすると、通常モデルの23,800円がかなり攻めていることがわかる。
AirPods 4のノイキャンモデルは発売時29,800円だった。それより6,000円安いのに、AirPods 5の通常モデルにもノイキャンがあり、その性能は最大1.5倍。防塵・耐水性能もIP54からIP57に上がっている。一方で、単体4時間・ケース込み20時間というバッテリーはAirPods 4 NCと同じで、ワイヤレス充電やケースのスピーカーもない。
27,800円のワイヤレス充電モデルは、4 NCの発売時価格より2,000円安い。それでいて、強化されたノイキャン、最大5時間の単体再生、音量スワイプ、Apple WatchやQiでの充電、ケースのスピーカーまでそろう。名前は「ワイヤレス充電モデル」だが、実際には充電方法だけでなく、操作性とバッテリーにも差がある。
AirPods Pro 3はさらに15,000円高い。その代わり、ノイキャンはAirPods 5の最大3倍、単体再生は最大8時間。イヤーチップで密閉するカナル型で、心拍数センサーや聴覚サポート機能もある。数字だけを見ればPro 3が上だが、価格も装着感も別物である。
今回、一番注目すべきなのは、この価格とモデルの分け方なのではないだろうか。
安い方を選んでも、ノイズキャンセリングを諦めなくていい。
前回のAirPods 4は、ノイズキャンセリングの有無で2種類に分かれていた。あのときはAppleを恨んだ。
長くなりそうなので短くまとめるが、私にとってノイズキャンセリングで大切なのは、強さよりもまず有無である。
もちろん強いに越したことはない。しかし、「どれくらい静かになるか」を比べる前に、そもそもノイキャンが使えるかどうかが大きい。正直、今から自分でワイヤレスイヤホンを買うなら、ノイズキャンセリングのないモデルを選ぶ理由はない。
だから、今回どちらにも搭載されたのはかなりうれしい。
欲しい機能を諦めて安い方を買うのではなく、必要な機能は確保したうえで、さらに便利な方へお金を出すかを選べる。この違いは大きいと思う。
ただし、上位モデルとの違いはワイヤレス充電だけではない。音量スワイプへの対応やバッテリー駆動時間などにも差がある。その点は押さえつつ、今回は私が使ってきたAirPodsの話から、このモデル展開を考えてみたい。
◯これまで使ってきたワイヤレスイヤホン
先に、私のワイヤレスイヤホン歴を載せておく。
- JVC HA-A5T
- Anker Soundcore Liberty 4 NC
- Apple AirPods Pro 3
- Anker Soundcore Liberty 5
- Apple AirPods 4 ノイズキャンセリング搭載モデル
- REDMI Buds 8 Pro
- EarFun Air Pro 4i
今回の話で特に関係するのは、AirPods 4のノイキャンモデルとAirPods Pro 3だ。
どちらも使っているからこそ、AirPods 4のノイキャンには十分だと思う部分も、Proと比べて物足りないと思う部分もある。そして、機能とは別に、私の耳との相性で気になったこともあった。
◯AirPods 4を使って、よかったことと気になったこと
▽ノイキャンは4でも必要十分だった
AirPods 4のノイズキャンセリングは、私には必要十分だった。
Proと比べると、やはり見劣りする部分はある。それでも、4では使い物にならない、という話ではまったくない。
最初に「強さよりも有無」と書いたのは、こういうことである。
最も強力なノイキャンでなくても、ついていることで得られる満足感はある。私にとってAirPods 4は、その意味で十分な性能だった。
だから、今回の強化も素直にうれしい。4で満足していたところが、さらによくなるのなら歓迎である。
▽落としたことはない。でも、抜けそうだった
一方、AirPods 4で気に入らなかったのは、耳の形によって抜けやすいところだ。
ここは正確に書いておきたい。私自身、使っていてすっぽり抜け落ちたことはない。
ただ、耳の中で「抜けそう」という感覚はかなりあった。
当時はランニングもしていたので、これは気になる。実際には落ちていなくても、落ちそうだと思いながら走るのは落ち着かないのである。
結局、私はシリコンカバーをつけて、滑り止めにしていた。
AirPods 5はAirPods 4と同じ形なので、このシリコンカバーはそのまま使える。
そして、同じ形ということは、AirPods 4で感じていた装着感の不満もそのまま残るということだ。AirPods 4の形が耳に合う人なら何も問題はないと思う。しかし、私のように「抜けそう」という感覚が気になっていた人は、AirPods 5でもこうしたカバーに頼ることになるだろう。
▽Apple Watchの充電器を使い回せるのが便利
逆に、かなり便利だったのがワイヤレス充電だ。
私はApple Watch SE 3を使っているのだが、その充電器でAirPodsのケースも充電できる。AirPods 4のノイキャンモデルでも、AirPods Pro 3でも、この使い方がよかった。
お風呂に入っている間はApple Watchを充電し、それ以外の時間にAirPodsを充電する。
これがかなりストレスフリーなのである。
Apple Watchを充電していない時間、その充電器は空いている。そこにAirPodsを置けばいい。充電のために別のケーブルを用意しなくていいのは、使ってみると結構ありがたい。
私にとってワイヤレス充電は、仕様表に書いてあるだけの機能ではなく、普段から便利さを感じていた機能だった。
◯AirPods 5に期待すること、期待しすぎないこと
▽ノイキャンの強化は歓迎。ただ、耳との相性は別
Appleは、AirPods 5のノイズキャンセリングについて、前世代と比べて最大1.5倍と案内している。
参考:AirPods 5 — アクティブノイズキャンセリング
4でも必要十分だった私としては、これはうれしい変更だ。Proと比べて見劣りしていた部分が、どこまで変わるのかは気になる。
ただし、AirPods 5は4と同じ形だ。
私が4で感じていた「耳の中で抜けそう」という不満が、5になったから解消されるとは考えていない。
ノイキャンの強化はノイキャンの話であって、私の耳に合うようになるという話ではない。この2つは分けて考えたい。
4の形が合っていた人には、そのまま使い慣れた形で性能が上がることになる。一方、私のように装着感が気になっていた人にとっては、引き続き気になる点が残る。
今回のモデル展開をいいと思っていることと、自分にとって不満のないイヤホンになるかどうかは、別なのである。
▽59%の人が使っているワイヤレス充電
では、上位モデルを選ぶ理由になるワイヤレス充電は、どれくらい使われているのだろうか。
Granite River Labsが紹介するWPCの2025年調査では、6か国・3,033人の回答者のうち、59%がスマートフォンやモバイル機器の充電にワイヤレス充電を利用しているという。
参考:WPCの2025年調査 — Granite River Labs
59%が使っている。いや、59%しか使っていない、と見るべきなのだろうか。
なお、日本を含む調査ではなく、イヤホンだけの利用率でもない。それでも、ワイヤレス充電をすでに生活の中で使っている人が、これだけいるというのは面白い。
私としては、その人たちはイヤホンもワイヤレス充電対応モデルを選べばいいと思う。もちろん手持ちの充電器との対応確認は必要だが、すでに使っている充電環境に組み込めるなら、その便利さは想像しやすい。
反対に、使わない人までワイヤレス充電にお金を払う必要はない。
使う人は対応モデルを、使わない人は通常モデルを。どちらを選んでもノイキャンはある。
この選び方ができるのが、今回のモデル展開のいいところだと思う。
▽私はApple Watchユーザーにも上位モデルがいいと思う
特にApple Watchを使っている人には、ワイヤレス充電ケース付きモデルが魅力的だと思う。
今回もApple Watchの充電器に対応しているので、私がAirPods 4やPro 3で便利だと感じていた使い方ができる。
価格差は4,000円。安い差額とは言わないが、日常的に使う機能なら、お金を出す理由にはなる。
私の場合は「ワイヤレス充電って便利なのかな」と想像している段階ではなく、実際に使って便利だった。だから、自分が選ぶなら対応モデルの方に気持ちが向く。
もちろん、4,000円の違いを充電だけで判断する必要はない。音量スワイプなども含めて、自分が使う機能があるかで選べばいいと思う。
◯結局どうなん。私はおそらく買う
私は、おそらく買う。
AirPods 4でもノイキャンは必要十分だったが、Proと比べて物足りない部分はあった。そこが強化されたのは素直に気になるし、今回のモデル展開もいいと思っている。
選ぶなら、ワイヤレス充電ケース付きモデルだろう。お風呂の間にApple Watchを充電して、それ以外の時間にAirPodsを置く。あの使い方ができるのは、私にとってかなり大きい。
もちろん、形が同じ以上、4で感じた「抜けそう」という不満が解消されるとは思っていない。それはわかったうえで、今回のノイキャンがどれくらい変わったのか、自分の耳で確かめたい。
あのときはAppleを恨んだが、今回はおそらく買う。なんだかんだ、気になってしまうのである。
著者:おかき(ユウ)